2012年2月25日土曜日

楽器について

「制作日記 山口直美」
小平さんの制作日記に、クラリネットの事を消耗品だと捉えていると書かれていました。自分の表現したいものの1つの手段としての道具にすぎないとはっきり割りきれる程、自分の表現したいもののぶれがない小平さんの世界にすごいものを感じ、あこがれます。ただ、私にとって楽器(フルート)はそういう感覚ではありません。たまたま縁があって百年程前にフランスでつくられたルイ・ロットという楽器を使っていますが、より豊かな音量、音色を目指してつくられている現在の楽器と違い、より素朴なイメージの音色で、音の鳴るポイントが狭い分、細やかなニュアンスが出せる可能性があるように思っています。楽器を響かせるのが難しいのですが、うまくいった時は何故か、音というより、染み入るようなものがくるように思っています。鳴らそうとか、雑念があるとならないし、その曲に必要なエネルギーがだせなければやはりならないし、辛い楽器ではあるのですが、そこには音楽の本質があるような気がして、この楽器で勝負してみたくなってしまいます。
このように、楽器に対する思い込みもいろいろですが、エマセネポーのメンバーはいろいろな価値観を認めてくれるところがいいなあと思っています。けれど、ちゃんとやるべき事をやらないと認めてくれない、という恐い集団だとも思っています。

2 件のコメント:

  1. クラリネットは木製、フルートは金属製なので、そういう感覚の違いがあるのですかね?

    サックスの人も、やはり金属製の楽器だからか、1本主義の人が多いような気がします。

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    1. なるほど、それは思いつきませんでした。そういえば、吹き込んでいるうちに、金属の分子の状態がかわる(?)のようなことを聞いたことがあります。

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