この間、松本市民芸術館での公演「K.テンペスト」を観てきました。
シェイクスピアの劇「テンペスト」を基に、串田さんの独自な解釈による、独特な空間と音楽を使ったものでした。
会場の中心にステージがあり、そのステージを取り囲むように客席があり、ステージの中にも客席があり、観客は好きな席で楽しむことができるようになっていました。
シェイクスピアの劇を詳しく知っている訳ではありませんが、私の中では、シェイクスピアは人間の持っている、欲や憎しみや妬みや愛情などの感情にスポットを当てて、どう生きるべきかを説いているのかと思っています。
「テンペスト」は、嵐という意味です が、権力闘争から生まれた呪いにより起こされた嵐で難破し、たどりついた孤島で繰り広げられる愛憎劇といったお話です。
串田さんの舞台は、今現在と物語の時代を交錯させたり、劇の人物とそれを演じている人を交錯させたり、はたまた観客をも巻き込んだりという、まるで嵐に遭っているといえなくもない感じに、生の音楽が効果音として用いられている、独特なものでした。
その公演にふれた結果、自分になにが落ちるのか楽しみにしていたのですが、あまり残った感がなく、「憎しみからは何も生まれない」ということを伝えたかったのかな、と想像する範疇でした。
でも、こうやっていろいろと思いをめぐらせることにも意味のあることなんだと思います。
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そんな「K.テンペスト」の感想を高校時代の友人に伝えたら、その友人が私に
「でも、憎しみってなかなか消せないんだよね。自分が、今の自分って幸せって思えると、消せるんだけど・・・許すって難しい・・・。」
と言ったその言葉が、一番ズシンときました。
よりよく生ききるために、まず自分を肯定する方向に近づけるきっかけになるような公演ができないだろうか・・・
すごく難しくて悩んでいますが、模索中です。
山口直美
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