2015年2月26日木曜日

make:百数十年ぶりのストーリー

モーツァルトの友人、アントン・シュタードラーは、クラリネット奏者でもあり、クラリネットの発明家でもありました。

当時扱いが難しかった低い音域を、とてもうまく吹きこなす奏者で、同じく低い音の出せる楽器を職人さんと共に多く発明しました。

今回モーツァルトのクラリネット五重奏で使用するバセットクラリネットも、シュタードラーが開発したものですが…

18世紀にバセットクラリネットが無事に開発されたものの、シュタードラー以外に吹きこなせる奏者がいなくて、その後数百年、楽器自体が絶滅していました…
それを1990年代にモーツァルトの没後200周年を機に、当時の絵や資料を元に、現代の技術で吹きやすくなって復刻したという、古くて新しい楽器なんです。

開発したシュタードラーと、さらに進化させて復刻させてくれた現代の職人さん。
バセットクラリネットの裏には時代を超えたストーリーがあります!


2015年2月23日月曜日

make:クラリネットと壺が出会ったら…!

「make」佐久市なんだ館の公演まで、あと1週間を切りました。

プログラムの中の、クラリネットとパーカッションによる「美しきラーマ」で使用する打楽器について、さんざん悩んだのですが、ようやく決まって注文し、家に届くのを楽しみにしている所です。

今回は、インド発祥のウッドゥー・ドラムという打楽器で、見た目はただの「壺」です。

この壺がどんな音色でクラリネットに絡むのか、二人の奏者の間からどのような世界が生まれてくるのか、私もワクワクします。

どうぞお楽しみに!

2015年2月22日日曜日

KURA

KURAの"くらぷらす"にMakeの記事が掲載されました!

Make:作曲家と作曲家、二人のストーリー

Makeでは、さまざまな「二人のストーリー」をお楽しみいただきますが、そのなかに「モーツァルトとブラームス、二人の作曲家のストーリー」があります。

ブラームスはモーツァルトの作品のある部分に対して
「あれが自分に書けたら、自作のガラクタを全部くれてやる!」
と言ったとか。
きっと心の底から尊敬していたに違いありません。
そして一度は作曲をやめたものの、また復活できたとき、彼はモーツァルトに真正面から挑んだのでした。

それはクラリネット五重奏曲です。自分がクラリネット五重奏曲を書けば、Makeでも演奏する、モーツァルトの同じ編成のための曲と必ず比べられてしまうことが明らかでした。それでも逃げるどころか、比べてくれと言わんばかりに、第四楽章をモーツァルトと同じ変奏曲に仕立てたのです。
ブラームスの心の中で、ブラームスしか知らない、神のような存在のモーツァルトとのストーリーが刻まれていたのです。
そこから、ブラームスのクラリネット作品がうまれてきたのですね!

2015年2月20日金曜日

本音トーク

今日は、当日お配りするプログラムと、トークの台本についての打ち合わせでした。
ムージカ・エマセネポーのコンサートでは、トークは重要な要素です。
クラシックの作品を、お客様に色々な視点から眺めていただけるように、知恵を絞っております!
なかでも、プレイヤーの、今、胸の内にある本音は、いつも盛り込んでいます。

当日は、クラリネットの小平真司がメインでトークをつとめます。
どんな本音が語られるか、どうぞお楽しみに!

make:生徒さんとモーツァルトの出会い

私のフルートの生徒さんがモーツァルトが八歳の頃に作曲した曲と、今、向き合っています。
5月にある発表会に演奏してみたい曲を選んでもらい、モーツァルトになりました。
以前その方とのレッスン中に、「とてもいいものを持っているんだけど 、真面目に音をはめようとしてしまうのが惜しいね。音を解放させてあげるとお互い楽しくなるかも!?」と私が言った言葉から、モーツァルトの初期の曲をやってみようかなと思ったそうです。

昨日のレッスンでその方が、うまく音を解放できた時の違いを、自分で実感できてきたそうで、今までやってきた曲はだんだんつまらなくなってきたけれど、モーツァルトは、どんどん楽しくなってます!と嬉しい報告をしてくれました。

生徒さんとモーツァルトの出会い、それによって自己を解放され、広がっていく世界…発表会でどんな演奏をしてくれるか、楽しみです!

2015年2月19日木曜日

make:真っ白な楽譜と奏者、2人のストーリー

アメリカの現代作曲家、ジョン・ケージ。
それまでの西洋音楽とは異なり、偶然性の音楽などを世に出した人です。

最近、その打楽器ソロの曲の楽譜を購入、家に届くなりワクワクしながら開けてみました。

…ところが、数行の注釈と、次のページは白紙。真っ白!

ああ、やられた!と思いました!
ケージの白紙の楽譜といえば、沈黙の音楽「4分33秒」が有名ですが、この曲もまた白紙でした。

曲のヒントとなるのは、その前のページの注釈のみ、あとは奏者の想像性に任せる、ということです。

この白紙を購入するのに千何百円か費やしたと思うと、一瞬腹立たしさを感じましたが、見方を変えると、白紙の楽譜というのは、全くの無でありながらも無限大です。

ここからどんなエネルギーを出し、どんな世界を創るのか…見れば見るほど果てしなく空間が広がっていくようです。

真っ白な楽譜と奏者。
その人だけの、唯一無二の壮大なストーリーが生まれる可能性を秘めているのですね。

2015年2月17日火曜日

make:モーツァルトもブラームスも!



モーツァルトとブラームス、二人とも偉大な作曲家に間違いありませんが、今回演奏する2つの曲は彼ら個人の力では生み出されなかった作品です!
ちょっとした出会いから、クラリネットの魅力に引きこまれ、後々に残る曲がつくられました。

『メイク』では、一人だけでは決して生まれなかったストーリーを再現したいと思います。 


人間一人ひとり、全く違う個性の持ち主です。 

そんな全く違う人間が二人集まり、、それぞれが個性を精一杯研ぎ澄ますことで、誰も想像できないストーリーが勝手に生まれます。 

少し見方を変えると、皆さんの周りにも、あちこちでストーリーが生まれていませんか? 

立派なものでなくても、他の誰にも気付かなくても、そのストーリーに気づいた時、心が動くものです。


そんな『メイクできる時間』を皆さまと体感できたらと思っています!





2015年2月13日金曜日

MAKE:ソリストと伴奏者、二人のストーリー

今日は大嶋義実さんを招いてのMAKEの稽古でした。

クラシック音楽では、ソリストにも伴奏者にも、それぞれ楽譜があります。
それはいわばストーリーの台本。最初は、二人が各自与えられた台本を、無理矢理演じている状態が続きます。
しかしその間にも、楽譜とは関係のないところで、ソリストと伴奏者の本当のストーリーが動きはじめているのです。

そして今日とうとうそのストーリーが外に顔をだしました!

するとどうでしょう!二人の紡ぐストーリーの向こうに「モーツァルトとミューズ、二人のストーリー」が手に取るように見えてきました。

2015年2月12日木曜日

Make:息子たちのストーリー

私には、高1と高3の息子がいます。
同じような環境の下で育った二人ですが、それぞれ独自の個性をもっているのが面白いものです。

私は、あまり母親らしい事を子供たちにした覚えがなく、いつも仕事が一番だったタイプなので、子供たちにとって兄弟というのは、親よりも身近だったのではないかと思います。
よく兄弟二人の中だけで広がる空想の世界で楽しんでいる二人に、まわりは入っていけないものがありました。
全然ちがう二人なのに、二人の中ではある意味同じ空間で楽しんでいる、兄弟だからできることなのか、面白いものです。

そうやって、いつもつるんで、時に楽しく時にうっとおしい存在の兄弟関係が、お互いを育ててきたのでしょうが、いよいよ4月より、環境がかわります。
兄が東京で生活をする事となります。
きっと、離れることによってこの二人の関係も見え方が変わるのだろうと思います。
また、新しく、二人にとってのMakeがはじまるのでしょうね。

2015年2月10日火曜日

make:私と辞書、二人のストーリー

私にとって、フランスに留学していた頃に愛用していた仏和、和仏の辞書は、なくてはならないものでした。

何かと辞書を引いては、言葉の世界がどんどん広がっていったように思います。
また、そこで生活していくためにはこの辞書を引かないとやっていけない、そんな切迫感もありました。

先日、久しぶりにその辞書を引く機会がありました。
ページを開いただけで、あの時経験した悔しかったこと、楽しかったこと、感動したこと、一緒に切磋琢磨した友達…色々な思いが蘇ってきました。

私と辞書のストーリー。
これからは思い出だけでなく、またこの辞書を活用して、新しいストーリーを描きたいです!

2015年2月9日月曜日

make:『make』で‘‘make’’

公演まであと1カ月を切りました!



今回はクラリネットの名曲をはじめ、さまざまな曲をお聴きいただきます!

その中で、~クラリネットといろいろな楽器、二人のストーリー~と題して、クラリネットとフルート、パーカッション、ギターのデュオのコーナーがあります。

それぞれの楽器は有名でも、

・クラリネットwithフルート
・クラリネットwithパーカッション
・クラリネットwithギター

こういった組み合わせの演奏は、意外にほとんどありません。

ここだけの話、クラリネットを吹いている僕にとっても未知のストーリーになりそうです!

新たなストーリーが生まれる瞬間に、ぜひお立ち合いください!

2015年2月7日土曜日

make:私とギター、二人のストーリー

今から遥か44年も前に出会った私たち。
場所は、木造の、天井の高い幼稚園のお部屋。
先生が弾く、初めて聴いたギターの音は、あたたかくやわらかく広がって、響いていきました。

それからずっと一緒。

そしてようやくこのごろ、一緒にいると自然とうまれてくる、音のストーリーを楽しむことができるようになりました。

2015年2月5日木曜日

make:息子とM先生のストーリー

私の息子がまだ保育園に入る前、一時預かりでお世話になったのがM先生でした。
迎えに行った時、その先生の豊かな背中にくくりつけられていたところをみると、大変だったんだろうなと思ったものでした。
そして、保育園に入るとそのM先生が息子の担任でした。
M先生が、息子のことを宇宙人みたいとおっしゃっていましたが、息子はちょっと違った感性を持っていました。
パンジーが咲き乱れているのを恐がり、蝶々を恐がり、アンパンマンもウルトラマンも恐いものでしかなかったようです。

プール参観がありました。
息子は案の定、水に顔をつけられないでいましたが、M先生が半ば強引に顔をつっこませているのにびっくりしましたが、その後、何日かして、つけられるようになったよ!と嬉しそうに帰ってきたのが印象的でした。

また、息子はお絵かきをしたがりませんでした。
どうして?と聞くと、思ったように描けないのがいやだというのです。
そんな息子でしたがある時からお絵かきをするようになりました。きっとM先生がこわがる息子の背中をドンと押したのではないかと思っています。

そんな息子は今、デザイナーになりたくて勉強中です。

2015年2月2日月曜日

make:みんなと合唱のストーリー

昨日、立科町の合唱祭に、ゲストとしてマリンバの演奏をさせて頂きました。

保育園児たちからご年配の合唱団まで、町中から色々なグループが一堂に会し、温かい雰囲気の中、皆さん歌うことが大好きな喜びに溢れ、とても素敵な会でした。

合唱を通してそれぞれのストーリーがあり、楽しませてもらいました。

特にご年配の方たちが活き活きしておられたのが印象的で、「また来年!」と声を掛け合っておられた姿、いい言葉だなーと思いました。















iPhoneから送信

2015年2月1日日曜日

make:嫌がらせ…のはずが…

あるアメリカのレストランで。

金持ちの客「このフライドポテト、分厚いし、べっとりしててマズい!作り直せ!」

シェフ「腹立つわ!フォークで刺せないように、薄く切ってカリカリに揚げてやる!!」

金持ちの客「う…うまい!」

こうして、みんな大好きポテトチップスが生まれたそうです。(諸説あり)

…感動的なストーリーはなくても、メイクはメイク。
そう考えると、みなさんの周りにも「なんでそうなるの!?」的なストーリー、ありませんか?